粉塵爆発防止対策の一環で、酸素濃度をコントロールするために窒素ガス発生装置を導入しました。
過去の粉塵爆発による再発防止策
当社の受託粉砕事業では、お客様から様々な素材の粉砕をご依頼いただいていますが、その中には粉塵爆発の危険性を持つものも数多くあります。そのため過去には何度か粉塵爆発を起こしたこともあり、その度に再発防止策を施してきました。
回収機や製品缶などのアースや帯電防止作業衣の着用はもちろんのこと、素材の爆発特性である爆発下限濃度や最小着火エネルギーの測定、その測定結果によっては粉塵爆発対応回収機、静電対策用のバクフィルターを選択したりと、いくつもの対応をしてきました。
2015年再び粉塵爆発
粉塵爆発防止のさらなる対策としてのサイクロン捕集の展開を始めたころの2015年6月、古川工場で再び粉塵爆発が発生しました。このときは幸い作業者への被害はありませんでしたが、これまでの対策はまだまだ甘かったと痛感させられることになりました。
再発防止のキー「爆発限界酸素濃度」
このときの粉塵爆発を境に、これまでは考えてこなかった爆発限界酸素濃度という爆発特性に注目するようになりました。爆発限界酸素濃度とは対象とする素材が粉塵爆発を起こすのに必要となる酸素濃度の下限です。つまり粉塵が存在する雰囲気下の酸素濃度をこの下限未満にすることができれば粉塵爆発は起きないということです。
酸素濃度をコントロールして再発防止
今回導入した窒素ガス発生装置は、酸素濃度をコントロールするために使用します。雰囲気下の酸素を、発生させた窒素ガスで置き換えることで爆発限界酸素濃度未満にし、絶対に爆発しない環境を作ることで再発防止に繋げていきいます。
古川工場の第4棟に外気取り込み用の送風設備を設置し、棟内の熱された空気を効率的に換気できるように改善しました。
第4棟の換気の問題点
第4棟では数年前に虫の侵入対策として棟内にクイックシャッターを設置しました。その為、換気がうまくされないようになり、粉砕設備から発生する熱が棟内にこもる傾向がありました。自然に囲まれて比較的涼しいとされる古川工場でも、第4棟内は夏場には40度近くになるところも。高温下での作業は熱中症の危険もあり、作業効率にも影響します。
このような酷な作業環境を改善するため、外気を取り込む送風設備を設置し効率的に換気できるようにしました。
送風設備の効果
比較的空気が冷たい河川側に空気の取り込み口を作り、送風機により冷たい空気を強制的に棟内に送り込むようにしました。冷たい空気はダクトを通じて棟の内部、換気効率がよくなるところまで送られます。また、既設の換気扇も換気効率がよくなるように移設をしました。取り込む空気はフィルターを通すため、防塵、防虫対策されています。
送風設備の効果は上々で、夏場の棟内のむっとする空気の感じが和らぎ、昨年の夏に比べたら過ごしやすい環境になりました。ダクトの吹き出し口に取り付けられた吹き流しの様子からも、冷たい空気がしっかり送り込まれてきている様子が見て取れます。
2016年10月の総務部(古川工場)の5S活動事例を紹介します。
今回、総務部では燃えるゴミ置き場の空間を有効利用できるようにしました。
<改善前の状態&問題点>
古川工場のエコセンター(廃棄物処理棟)内の燃えるゴミ置場には、1週間分の燃えるゴミを溜めておくため、かなりの量となり置き場から溢れることがありました。また、ゴミがいっぱいになると「燃えるゴミ」の表示が見えなくなっていました。
<改善後の状態&効果>
使用していないテーブルの脚を取り外しその天板を、燃えるゴミ置き場の枠の上部に固定し、棚板として利用できるようにしました。天板の上にもゴミを置けるようになり、空間を有効利用できるようになりました。また「燃えるゴミ」の表示も、置き場正面上部に取り付け直し、表示が隠れることがないようにしました。
2016年10月の第1製造部(古川工場)の5S活動事例を紹介します。
今回、第1製造部では食品棟の資材置き場のシャッターの防虫対策をしました。
<改善前の状態&問題点>
食品棟の資材置き場のシャッターには隙間があり、虫が侵入する要因となっていました。(隙間から外の光が漏れている様子がわかります。)
<改善後の状態&効果>
防虫ブラシをシャッターに取り付けました。シャッターの隙間がなくなったので、そこから虫が侵入することはなくなりました。(外の光が漏れてきていない様子からも隙間がなくなったことが見て取れます。)
2016年10月の開発部(古川工場)のKY活動事例を紹介します。
以下の作業をテーマとして取り上げ、KYT(危険予知訓練)を実施しました。
テーマ
サイクロン分解・組立作業
1ラウンド:どんな危険が潜んでいるか?
2ラウンド:これが危険ポイントだ!
以下の危険が挙げられ、重要危険ポイントを設定しました。
| ○ |
1 |
ハンドリフトで作業をしやすい高さに調整しないとサイクロン上部を取り外す時腰を痛める。 |
| ◎ |
2 |
固定具でサイクロンをハンドリフトにしっかり固定しないとサイクロンが足元に落ち作業者がけがをする。 |
| ◎ |
3 |
ボルトを取り外す際、サイクロンが外れて作業者の体勢が崩れる。 |
|
4 |
工具をしっかりはめて作業しないと工具が外れて作業者にあたりけがをする。 |
◎:最重要危険ポイント/○:重要危険ポイント
3ラウンド:あなたならどうする?
上記の◎最重要危険ポイントに対して、以下の具体的対策案が提案されました。
| ※ |
1 |
サイクロンとハンドリフトを固定具でしっかりと固定する。 |
※:重点実施項目
4ラウンド:私たちはこうする!
上記の対策案を実施するために、以下のチーム行動目標と指差し呼称を設定しました。
| チーム行動目標 |
サイクロンの分解・組立作業を行う際にはサイクロンとハンドリフトを固定具でしっかりと固定して作業しよう。 |
| 指差し呼称 |
固定具良し! |
2016年10月の技術部(古川工場)のKY活動事例を紹介します。
以下の作業をテーマとして取り上げ、KYT(危険予知訓練)を実施しました。
テーマ
ハンドグラインダー作業
1ラウンド:どんな危険が潜んでいるか?
2ラウンド:これが危険ポイントだ!
以下の危険が挙げられ、重要危険ポイントを設定しました。
| ◎ |
1 |
電源スイッチがオフになっていないと差し込みプラグを入れた時に回り出しケガをする |
| ◎ |
2 |
刃の固定ネジが締まっていないと刃が脱落し自分又は第三者に当たりケガをする |
| ○ |
3 |
保護手袋をしていないと手が刃物に触れた時、ケガをする |
| ○ |
4 |
保護メガネを使用 していないと切削くずが目に入りケガをする |
◎:最重要危険ポイント/○:重要危険ポイント
3ラウンド:あなたならどうする?
上記の◎最重要危険ポイントに対して、以下の具体的対策案が提案されました。
| ※ |
1 |
電源を差し込む前にスイッチがオフになっているか確認する
|
| ※ |
2 |
電源を差し込む前に刃の固定ネジがしまっているか確認する |
※:重点実施項目
4ラウンド:私たちはこうする!
上記の対策案を実施するために、以下のチーム行動目標と指差し呼称を設定しました。
| チーム行動目標 |
ハンドグラインダーの差し込みプラグを入れる前に、スイッチと固定ネジの確認をしよう! |
| 指差し呼称 |
スイッチオフよし、刃の固定よし! |
2016年10月の第2製造部(古川工場)のKY活動事例を紹介します。
以下の作業をテーマとして取り上げ、KYT(危険予知訓練)を実施しました。
テーマ
フッ素原料(フレコン)搬入作業
1ラウンド:どんな危険が潜んでいるか?
2ラウンド:これが危険ポイントだ!
以下の危険が挙げられ、重要危険ポイントを設定しました。
| ◎ |
1 |
原料を搬入する時に、リフトの前方が見えにくいので、注意しないと他の作業者にフレコンが接触する。 |
| ○ |
2 |
原料を搬入する時に、リフトに振れ止めを装着しないと、フレコンが滑り落ちて他の作業者にあたる。 |
| ◎ |
3 |
原料を搬入する時に搬入口が狭いため、リフトのスピードを出し過ぎると、危険。 |
| ○ |
4 |
原料を搬入する時に雨が降っていると、防塵塗装の上をリフトが走行する際に滑りやすく、急ハンドルをきると不安定になり危険。 |
◎:最重要危険ポイント/○:重要危険ポイント
3ラウンド:あなたならどうする?
上記の◎最重要危険ポイントに対して、以下の具体的対策案が提案されました。
| ※ |
1 |
原料を搬入する時は、進行方向に十分注意する。 |
| ※ |
2 |
原料を搬入する時は、安全な速度で注意しながら運転する。 |
※:重点実施項目
4ラウンド:私たちはこうする!
上記の対策案を実施するために、以下のチーム行動目標と指差し呼称を設定しました。
| チーム行動目標 |
原料を搬入するときは、前方に注意しながら、安全な速度で運転しよう。 |
| 指差し呼称 |
前方よし!速度よし! |