Evolution(進化) in 喜多村 Vol.20 (2012年9月発行)


解砕実績を紹介します!

最初に「解砕」って何? 喜多村は「粉砕」ではなかったの?という疑問をお持ちの方に「解砕」についてご説明いたします。

粉砕と解砕の違い

図1 粉砕と解砕の違い

辞書では、

「解砕」:砕き、ほぐすこと
「粉砕」:粉みじんに細かく砕くこと

とあります。

喜多村の実績としての解砕は、強凝集している材料を解きほぐし、元々の一次粒子までバラバラにすることを指します。

以下に解砕実績例を示します。

御支給材料は、一次粒子径が 0.5μmの樹脂ビーズです。解砕前、その一部が強く凝集して数十μmの大きさの二次粒子(写真1)を形成しています。これを弊社の粉砕機を使って解砕した物が写真2 になります。写真2を見て頂いて分かりますように0.5μmの一次粒子にきれいにほぐれています。

樹脂ビーズ解砕前

樹脂ビーズ解砕前


樹脂ビーズ解砕後

樹脂ビーズ解砕後

ご紹介させて頂いた樹脂ビーズにご興味有る方は、担当営業または営業部豊島までお問い合わせ下さい。

なぜ、再凝集しないのか?

球状粒子のハンドリングでご苦労されているお客様から、上記の質問をされることがあります。特に球状粒子の粒子径がサブミクロンサイズになってきますと、粒子素材全体の表面積が大きくなります。そのため、粒子表面の性質が支配的となり、粒子同士は付着凝集性を増し、分散性、流動性が極めて悪くなります。

球状粒子間に形成された液架橋

球状粒子間に形成された液架橋

粒子間付着力の原因には、分子間力、静電気力、液架橋による力などが考えられます。このうち、通常雰囲気下においては、水分などによる液架橋力が支配的と言われています。また、球状粒子を液相で製造後に乾燥した場合や、粒子表面処理時に何か濡らす処理を行ったあと乾燥した場合、粒子間にわずかな液体が残り、液架橋状態になっていると考えられます。

しかしながら、喜多村の経験やお客様からのお話を伺っている範囲では、喜多村で解砕した粒子は再び凝集する(解砕前の状態に戻る)ことはなく、多少凝集することはあっても直ぐに解砕状態になるようです。

なぜ、再凝集しないのか? 喜多村では以下の様に考えています。

喜多村では、液架橋力で付着した粒子付着を解砕した後に、再び液架橋を起こす液体の存在を少なくする、あるいはなくすことによって(例えばドライエアー解砕)、再凝集を防いでいるためだと考えています。

球状粒子の凝集でお困りの方、解砕テストを御検討の際は、担当営業または営業部までお気軽にお問い合わせ下さい。