Evolution(進化) in 喜多村 Vol.6 (2009年11月発行)


『喜多村の更なる進化のために』  代表取締役社長 北村眞行

代表取締役社長 北村眞行

代表取締役社長 北村眞行

世界的不況が続く契機となった「リーマンショック」から早1年が経ちましたが、私どもの化学素材産業は未だ厳しい状況が続いております。しかし、弊社の経営理念である「信頼されるカンパニー」となっていくためには、ここで更に脱皮を計り、この困難を乗越えて次なるステージへと進んでいくことが必要です。

弊社のフッ素樹脂潤滑用添加剤KT/KTLシリーズは、約40年もの間、お客様に支持されながら、より細かく、よりシャープに、より使いやすく・・・といった様々な進化を経て現在に至っております。そして、次なるステージへと進むために、このような進化を更に計って参りたいと存じます。

現在、進んでおります新製品のプロジェクトとして、「より細かく、よりシャープに」を追求したものや、「高分子のまま、より細かく」を実現したものがあります。これらはきっとお客様にご満足いただけるものと思っております。近々、是非お試しいただけましたら幸いに存じます。

自然環境に優しい喜多村です!  営業部 営業1課 三國

フッ素樹脂潤滑用添加剤の営業をしている三國です。

現在日本の置かれている状況は非常に厳しいものですが、日本には世界に誇る独自の環境関連技術があり、その分野では今後も大きな飛躍が期待されています。

特に自動車業界における低燃費、軽量化などのキーワードで言えば、喜多村のフッ素樹脂が活躍する場所が大いにあると思います。これまで滑りにくかった樹脂製品や塗膜にフッ素樹脂を添加することで改質され、最終的には摩擦係数低減により燃費向上やCO2排出低減に繋がることが考えられます。その他にも、フッ素樹脂は耐熱性があるため、摩耗を抑えつつ金属部品を樹脂部品に代替することも可能で、循環型社会の構築に役に立つと考えられます。

喜多村のフッ素樹脂潤滑用添加剤も世界に誇る喜多村独自の技術で製造されており、この製品が日本の技術発展、そしてそれが環境問題解決の一端を担っていることに誇りを思っております。

大きなことを書きましたが、要はフッ素樹脂の特性の中で最も特徴的ある“滑る”というキーワードで皆様のお役に立てるよう今後も営業活動に励んで行きたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

PTFEワニスコンパウンドの提供についても相談に応じます!

喜多村のフッ素樹脂潤滑粉の中で、インキ用の代表グレードであるKTL-4Nは、完全に焼成された低分子量のPTFE粉末です。KTL-4Nは、平均粒子径=4μm、最大粒子径=10μmというシャープな粒子径分布を持つため、すり潰す必要なく簡単な攪拌によりワニスコンパウンド(※1)を製造することが出来ます。ワニスコンパウンドをインキに添加することにより、下記の試験結果のようにインキの耐摩擦性、傷防止機能を大幅に向上させることが可能になります。(※2)

KTL-4Nの耐摩擦性試験結果

【展色条件】2分割ゴムロール、インキ量 0.150㏄でアート紙に展色。
【耐摩擦性試験】24時間後に学振型試験機に仕掛け、200gの荷重×15回往復で試験を行った。

KTL-4N 無添加品

KTL-4N 無添加品

KTL-4N 1%添加品

KTL-4N 1%添加品

【結果】KTL-4N無添加品と比較すると、添加品は裏写りが大幅に軽減されました。

※1)ワニスコンパウンドとは、油+インキ用ワニス+PTFEの混合物です。オフセットインキ(オフ輪・枚葉)、グラビアインキ、UVインキ、スクリーンインキ等の各種インキに広く使用することができます。
※2)インキにPTFEを添加することにより、耐摩擦性の向上、キズ防止、つぶれ防止、裏写り防止が出来ます。ポリエチレンワックスと比較すると、少量の添加でも効果があります。高温で硬化させる高速印刷用のインキや、無溶剤タイプのUVインキ、透明性を必要とするトップコートにも使用可能です。