Evolution(進化) in 喜多村 Vol.14 (2011年6月発行)


開発を加速させて製品を磨き続けます!  代表取締役社長 北村眞行

代表取締役社長 北村眞行

代表取締役社長 北村眞行

この度の東日本大震災により、被災されました皆様に心よりお見舞い申し上げます。被災地の一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。

2011年も早半年になろうとしています。昨今では日本の内需減少を受け、日本企業は益々海外へと戦いの場をシフトしています。しかしながら、海外市場では韓国・中国などの競合が破竹の勢いで伸張し、日本勢は苦戦を強いられています。

当社のフッ素樹脂潤滑用添加剤事業においても、「市場の海外シフト」の影響は大きく、次第に現地で調達できるものは、現地調達され、海外と同じ競争力では負けてしまうことでしょう。当社の自社製品事業は、ご評価頂くお客様のご希望を受けて開発を進めて参りました。今後は、新製品を当社から提案していくという積極的な姿勢で、「磨き続ける」ことが重要になるものと考えております。

今年も引き続き、海外勢を含む同業他社に負けない品質で競争力を高め、お客様のお役に立って参ります。また、お客様の満足を高めるために「手を尽くす」ことで「お客様第一主義の徹底」を図って参りたいと思います。そして、当社の経営理念である「信頼されるカンパニー」に一歩近づくことを目指して参ります。

受託粉砕部門と併せて展示会に出展いたしました!

2011年2月に東京ビックサイトで開催された「新機能性材料展2011」、同所で3月に開催された、「量産・試作加工技術展」に出展いたしました。

新機能性材料展2011

新機能性材料展2011

出展内容は、「フッ素樹脂潤滑用添加剤の添加による問題解決」と、「受託粉砕業の技術力」のご紹介です。受託粉砕とは、「お預かりした原料を、ご希望の粒度に粉砕して、お返しする」という粉砕加工のサービスです。

当社の受託粉砕は、フッ素樹脂粉末からもお分かり頂けるかと思いますが、より細かく!よりシャープな粒度分布!といった、お客様ご希望の粉体に造り上げることを追及し、39年間ひたすらに砕いて参りました。

原料は有機物、無機物は問いません。食品添加物の製造許可も取得しております。加工量も、研究レベルから量産レベルまで対応可能です。多様な設備でお客様のご要望にお応えしております。ご興味をお持ちの方は、是非営業部までお問合せ下さい。

大学と共同研究しております!

今回は、当社製品の中で最も耐熱性の高いKTシリーズと、KTLシリーズで耐熱性の高く分散性の良いKTL-610、それに他社のPTFE微粉末を比較評価した結果をご紹介します。

摩擦評価結果

【試験片】
PA66+PTFE(20wt.%)をプリブレンド → 二軸押出機でペレタイズ → 射出成型機で成形

PTFEの種類と詳細

PTFEの種類と詳細

【試験機】
リングオンディスク(下図参照)

試験機

【試験条件】
v=0.5m/s、L=3000m、P=100N、200N

【試験前処理】
試験片及び相手材(炭素鋼)の表面を研磨紙で研磨

【結果】
圧力の試験条件の違い(A:P=100N、B:P=200N)で、下図の通り摩擦試験結果が大きく異なることが分かりました。 軽荷重(P=100N)の場合は、未焼成品(他社④)より焼成品(喜多村①②③)の方が摩擦係数が低くなりました。分子量の違いでは、分子量の少し小さいKTL-610の摩擦特性が最も良い結果となりました。重荷重(P=200N)の場合は、グレードによる違いはあまり顕著には観察されませんでした。

【考察】
喜多村品の比較においては、荷重によって、粒子径によると思われる差が見られております。相手材への付着状況等にも差が見られることから、分子量によっても差があるようです。

PTFEの種類と摩擦係数