喜多村ってどんな会社?入社して大丈夫?
当社ウェブサイトをご覧いただきありがとうございます。
喜多村の本間です。このサイトの制作に携わった者です。
このページは就職・転職活動中の方で株式会社喜多村に興味を持っていただいた人に向けて用意したものです。
私は2000年に他の会社へ新卒入社し、2004年に喜多村へ中途入社しました。
どちらの就職活動のときも、会社案内や採用案内のカタログに載っている情報ではその会社の表面的なところしか見えないと感じていました。
特に転職活動のときには、会社の良いところ悪いところは実際勤めてみないと分からないものだと痛感していたこともあり、応募を考えた会社に対して「この会社、どんな会社だろう?入社して大丈夫か?」と疑心暗鬼になりながら活動していました。
皆さんも同じようなことを感じていませんか?
正直なところ、会社の本当の姿は勤めてみて初めて見えてくるものです。会社選びの際に見えてる部分はほんの一部でしかありません。
どの会社も事業内容や仕事内容についてはウェブサイト等で比較的詳しい情報が得られることが多いですが、それと同じくらい皆さんが知りたいと思っているであろう給与、福利厚生、勤務条件などの待遇面や社内の人間関係などについては詳しいことがなかなか得られず、面接でも質問もしづらい内容かと思います。
皆さんが会社で長く勤めていくため、会社側も大切な人財に長く勤めてもらうためには、そのような面も大切なところになってきます。このページではそのような部分に重点を置いてお伝えすることにしています。
ここでお伝えすることも含めて、いろいろな情報を会社選びの判断材料にしていただき、多くの方に「この会社なら大丈夫!入社してみたい!」と思ってもらえればよいと思います。
<目次>
1.喜多村が事業を営む目的
すべての社員の豊かな人生の実現
期初の5月に毎年発行される事業発展計画書の中で、社長の北村は次のように述べています。
「事業を営む最大の目的は、会社に関わる総ての人が豊かな人生を送れるようにすることである。」
これが喜多村が事業を営む目的です。
ここに出てくる「会社に関わる総ての人」とは当社の製品を直接使っていただけるお客様はもちろん、最終製品となったものを使っていただく世の中の人、助言や指導をしていただける行政機関の人、周辺地域の人など様々な人のことです。
そして、会社に一番深く関わっている社員ももちろん含まれています。
さらに事業発展計画書の中で北村は、経営者の約束として次のように明言しています。
「会社の発展を通じて、すべての社員の豊かな人生の実現に寄与します。」
つまり北村は、会社に関わる総ての人の中でも社員には特に、豊かな人生を送ってもらいたいと強く想っているということです。
すべての社員に「豊かな人生の実現」をしてもらいたい。社長はじめ経営幹部、管理職はみんなそう考えています。
豊かな人生に必要な4つの豊かさ
皆さんは「豊かな人生」とはどんなものだと考えますか?
喜多村では、社員に「豊かな人生の実現」をしてもらうためには、次の4つの豊かさが必要だと考えています。
・基本的な生活の豊かさ
・人や社会との繋がりの豊かさ
・自らが成長していける場の豊かさ
・人や社会に貢献できる心の豊かさ
社員がこの4つの豊かさを得られるように、当社では様々な仕組みや制度、職場環境を整えて社員に提供しています。
この先では、この4つの豊かさについてと、その豊かさに関連して提供している仕組みなどを説明していきます。
「基本的な生活の豊かさ」を得られるように
「基本的な生活の豊かさ」とは、人間的な生活の保障は当然のこととして自分や家族が将来にわたって笑顔の絶えない幸せな生活できることだと考えます。
会社を通じて「基本的な生活の豊かさ」が得られるかどうかは、収入、私生活とのバランス、健康・安全面、会社の安定性などが大きく影響してきます。したがって会社選びの際には最も基本となる条件にもなります。
給与制度
一般的な採用案内の給与欄に記載されているのは年齢別の月給の例や賞与の時期、手当の種類くらいであり、面接でも給与制度については特に質問しづらいものです。しかし会社に勤めるにあたり収入面のことはとても重要な部分です。
給与は一般的には「月給」、「賞与」、「退職金」の3つに分かれます。当社も大きくはこの3つに分かれます。
年功序列と成果主義の両面の良さを持った月給
当社の月給は「本人給」と「職能給」、そして「各種手当」で構成されています。
「本人給」は年齢に伴って全員一律で上昇していきます。安定した賃金上昇を支える部分になります。一方、本人の仕事の成果や会社への貢献度などが評価されて上昇幅が人によって変わるのが「職能給」です。がんばりが会社に認められれば他の人と賃金の差をつけることができる部分になります。
このように当社の月給は年功序列と成果主義をミックスした制度になっているので、安定して上昇していく部分とがんばった分が反映されていく部分の両面を持ち合わせています。
※一定の年齢に達すると会社が社員の成長に期待を込める意味もあり職能給重視へシフトしていきます。(そのときには本人給は一定となり職能給の変動のみとなります。)
月給には他に各種手当が加算されます。
「時間外就業手当・休日就業手当」はもちろん支給されるほか、「通勤手当」や「出張手当」、配偶者・子どもを持つ方には「家族手当」、管理職には本人給に替わって「役割手当」、営業職には「営業手当」が支給されます。
また特徴的な手当として「大入り」と「資産形成手当」があります。
「大入り」とは、読んで字のごとく『大入袋』で現金が支給されるものです。一か月当たりの業績目標額を達成できた場合に、翌月の全社朝礼で全社員に支給されます。大入袋の中には通常現金一万円が入っています。過去最高の業績目標を達成した場合などには、感謝の意味をこめてさらにもう一枚入ることもあります。
なおここ数年の大入り実績は、2023年度3回、2022年度6回、2021年度12回、2020年度4回、2019年度10回、2018年度11回となっています。
大入袋を直接手にできるこの制度は、会社の業績の良さを肌で感じることができるので私個人としては入社した当初から面白い制度だと感じています。
「資産形成手当」は、社員が老後資金などを将来に向けて築いていけるように支給するものです。詳しくは後ほど説明します。
利益をできる限り多く社員へ還元する賞与
一般的に賞与の支給のしかたは「基本給×○ヶ月×評価係数」であったり、小さな企業では経営者が都度決定するということをしています。
当社の賞与の仕組みはそれらとは異なり基本給の額は全く関係なく、賞与総原資を決める客観的な計算式が社長から示されています。
賞与総原資 = a ( 営業利益 – b ) + c
(c:営業利益により段階的にUP)
これは業績(営業利益)に比例する形になっており、会社へ残す一定率の利益を差し引いて残る分は賞与総原資としてすべて社員に還元されるようになっています。営業利益が一定の基準を超えた場合にはさらに賞与原資が段階的にUPします。
このように利益が増えた分はできる限り多く社員へ還元する仕組みになっています。業績が好調になればなるほど賞与総原資もぐんっと増え社員個々に支給される賞与も増えることになります。
賞与の時期になると今回の賞与平均は月給の何か月分などとニュースになります。これは先ほどの「基本給×○ヶ月×評価係数」という支給方法からきていると考えられますが、業績が好調なときは大企業の平均支給月数を上回ったりします。(ここ数年の実績は年間5~6カ月分程度です。)
社員個々への支給配分は職能等級と賞与考課によって獲得する賞与ポイントで決まるので、日頃のがんばりは賞与金額にも反映されていきます。
老後に向けての資金計画を考えやすい退職金制度
中小企業の中には退職金制度がない会社も多くあるようですが、当社では国の制度である中小企業退職金共済制度(中退共)と民間に近い運営による特定退職金共済制度(特退共)を併用して、退職金を準備しています。もちろんその掛金は会社負担となっています。
退職金の算出方法には退職ポイントというものを使います。勤続年数に従い毎年数十ポイントから数百ポイントが積み立てられていき、退職時に持っている総ポイントにポイント単価を掛けて、退職金が算出されます。
毎年の新給与辞令の中には現在の持っている退職ポイントが載りますし、退職金規定を見れば退職金の算出の仕方が分かるようになっていますので、自分が定年退職を迎えるときにいくらくらいの退職金が支給されるのかが分かります。
自分が求める老後の豊かな人生のためには、あとどれくらいの資金を準備していかなければならないかなどもじっくり考えていくことができます。
その他のお金に関する制度
「改善提案表彰制度」では、個人による改善の提案あるいは実施に対し報奨金が支給されます。改善の内容によって100円~3000円が支給されます。1年のうちで優秀なものには社長表彰がありさらに高額の表彰金が授与されます。
「通勤自動車任意保険補助制度」は、当社に特徴的な制度の一つです。
通勤用の自動車に掛ける任意保険の保険金を35000円を上限に補助するものです。本社、古川工場ともに車でないと通勤しにくいところに立地していることもあり、車通勤に掛かる金銭的負担を少しでも軽減しようというものです。社員としては非常に助かる制度の一つです。
他にも将来のマイホームのために賃貸物件の家賃を補助する「家賃補助制度」や、結婚・出産・入園入学・成人の祝金や傷病見舞金・弔慰金・災害見舞金を支給する「慶弔見舞金制度」があります。
仕事と私生活の両立
「豊かな人生の実現」の人生の中には、仕事も私生活も当然含んでいます。しがたって豊かな人生のためには社員の私生活が充実することはとても大切なことだと考えています。社員の私生活を充実させるためには、それに充てられる休日などがどれくらいあるかということも重要な部分です。
年間休日は120日、実質休日は平均135日
当社では120日の年間休日を設定しています。基本的には土日と祝日の一部が休日で、長期連休として5~9連休となるゴールデンウィーク、夏季休暇、年末年始休暇があります。(カレンダーの巡りによっては土曜日が出勤日となることもあります。)
国の統計では平均年間休日総数は全体では約108日、1000人以上の大企業でも約115日とのことなので、当社の年間休日数はそれを上回る水準となっています。
年間休日と別に有給休暇が付与されます。最大で年間20日付与されます。
また有給休暇の取得を促進するために「計画有休取得制度」を設けています。
この制度では取得目標日数が決められており、年間20日付与された場合はその70%に当たる14日が目標日数となります。月1回取っても取り切れない日数です。
計画的に取っていかないと人によっては期末近くになって取り切れない事態になり、上司に「早く取るように!」と叱られている風景を見ることもあります。ある意味よい社風かと思います。
2019年4月からは年に5日の有給休暇を取得させることが法律で義務化されましたが、当社では2006年から既にこの計画有休取得制度を設けて有給休暇取得を促進してきました。
それが徐々に浸透してきて現在では社員が有給休暇をとても取りやすい風潮になっています。
なお最近の有給休暇の平均取得率のここ数年の実績は正社員で80~85%となっています。20日付与される人で年間16~17日ほど取得している計算となります。
国の統計では平均取得率は全体では約9日、1000人以上の大企業でも約11日とのことなので、このことからも当社は世間よりも休みやすい会社といえます。
有給休暇の実績日数16日と年間休日120日を合計すると、喜多村の社員は年間実質136日休んでいることになります。
年間休日の数字だけをとると、超大手自動車会社グループなどは121日と上を見ればいくらでもあります。しかし会社によっては有給休暇が取りにくかったり休日出勤が多かったりするなどで、実質136日休むことができる会社はそれほど多くはないのではないでしょうか。
喜多村規模の製造業を営む中小企業の中では特に少ないと思います。
このほか「リフレッシュ休暇制度」と「永年勤続表彰制度」による特別有給休暇もあります。5年に1回2~5日付与され、金一封または永年勤続表彰金が支給されます。
大切な人や家族との旅行など、私生活の充実を一層図るためのよい機会として利用できる休暇になります。
残業は月平均10時間以下
当社の時間外就業の月平均時間は近年は10時間以下となっています。この中には残業時間のほか、休日出勤時間も含まれます。
平日稼働日数を月20日とすると1日当たり30分以下の計算になりますが、製造現場では部署によっては土日に交代で出勤することもあるので、平日の平均残業時間はもっと少ないのが現状です。
ただし、部署による差や時期による変動もありますし、お客様からの注文が立て込んだときなどは製造現場は残業や休日出勤が増えることもあります。
当社は転職による中途採用者が圧倒的に多く、前職で残業や休日出勤の多さが理由で転職してきた人もいます。
私個人もその一人で、前職は残業が多いといわれる業界だったため、月45時間を超えることも頻繁でした。多いときには100時間を超えることもあり、終電時刻まで仕事する毎日を過ごしたこともありました。当時私は20代前半でしたが「残業代は貯まるけど遊ぶ時間がない」と感じていました。
理想の残業時間は人それぞれだと思いますが、月10時間ほどの残業であれば、休日はもちろん帰宅したあとも自分の時間、家族との時間を充分とることができますし、残業手当もほどよく支給され懐も潤います。
当社の残業時間は、私生活を時間面と収入面の両方から充実させるちょうどよい時間かと思います。
また週に1~2回のノー残業デーの実施もあります。
子育て・介護世代の仕事と私生活の両立を支援
子育て支援制度としては、育児休業や子どもの看護休暇、育児短時間勤務制度など法定とされている部分に加え、出産祝金を支給したり、男性社員に対して産前産後で2日間取得できる特別休暇を付与したりして、子育てのスタート期間をバックアップしています。
当社の男性社員はこの特別休暇を利用してお子さんの出産に立ち会ったり、出生届を役所へ提出しにいったりできますので、大切なお子さんの誕生というイベントに仕事を忘れて参加できます。
介護支援制度についても、法定とされている介護休業や介護休暇、介護短時間勤務制度を基本に、個別対応も柔軟に実施できるようにしています。
実際にあった例では、午前と午後の15分休憩と昼休み1時間と合わせて1時間半の休憩時間として確保し、その時間に帰宅して介護できるようにという対応しました。この取り組みは愛知県が作成した「仕事と介護の両立モデル事例集」にも掲載されています。
また、厚生労働省が運営する「両立支援ひろば」にも登録されており、「仕事と介護を両立できる職場環境」として掲載されています。
「介護は誰にでも降りかかるもの」として、個人の状況に合わせた柔軟な対応をすることが大切だと考えています。
病気や怪我なく働き続けられる職場
豊かな人生、幸せな人生は自分の健康があってこそです。社員の健康管理、安全管理も会社としてしっかりと実施していかなければなりません。
会社生活で怪我や病気をしないために、まずは「安全で衛生的な職場」づくりをすることが第一です。その上で健康に働き続けてもらうためには、「病気の予防や早期発見」ができることが大切になります。
それでも怪我や病気を患ってしまった場合には、「金銭的な補償・補助と治療に専念できる環境」を提供することで治療のサポートをしていく必要があります。当社では社員の健康に関して、この3段階で体制や制度を整えています。
国際標準に基づく「安全で衛生的な職場」づくりの仕組み
当社はISO45001という国際規格に基づく労働安全衛生マネジメントシステムを運用しています。
労働安全衛生マネジメントシステムとは、安全で衛生的な職場環境を作り維持していくための仕組みです。審査機関の認証を受けており(認証は古川工場、本社はそれに準ずる活動)、喜多村は安全で衛生的な職場づくりができていると第三者から認められています。
当社はこの仕組みの中で、職場に怪我をしそうな危険なところがないか、病気の要因となることはないかという視点を常に持ちながら活動しており、もしそのような環境があれば対策を協議・実施し、より安全で衛生的な職場環境へと高めています。
また危険予知活動(KY活動)も活発であり、それを通じて社員の安全衛生に関する感受性も高めています。
ISO9001(品質マネジメントシステム規格)やISO14001(環境マネジメントシステム規格)の認証を受けている日本国内の組織は数多くその数はISO9001が約4万件、ISO14001が約2万件であり、皆さんも会社案内などで目にしたことがあると思います。
一方、ISO45001の認証を受けて労働安全衛生マネジメントシステムを構築している組織は約1500件しかなくメジャーではありません。
しかし社員の安全と健康を大切にしたいとの想いから、当社では仕組みをしっかりと作り認証を取得しています。
また、昨今はメンタルヘルスについても企業内の課題として取り上げられますが、当社でもストレスチェックや産業カウンセラーによる面談などを実施し、ときには適材適正の考えを基本に配置転換したりして、心の健康についても予防活動を推進しています。
会社負担の健康診断や人間ドッグによる「病気の予防や早期発見」
会社は法律で定められた健康診断を社員に受診させなければなりません。
当社もそれに従い定期健康診断やその他の必要な健康診断を社員に受けてもらっています。この健康診断が病気の予防や早期発見の一助となります。
さらに当社独自の制度として、50歳以上の社員には人間ドッグを定期健康診断に替えて全額会社負担、出社扱いで受けてもらっています。
健康診断よりも精密な検査ができますので、病気のリスクが徐々に高まってくる世代には大きなメリットのある制度です。実際に人間ドッグによって癌が見つかり治療したおかげで今では完治して元気に過ごしている社員もいます。
また健康診断の結果、再検査が必要とされた場合には二次健診を受けることになりますが、その費用に対して上限はありますが会社が補助することとしています。
「金銭的な補償・補助と治療に専念できる環境」の提供
万が一、業務災害によって社員が怪我を負ったり病気になったりした場合には、法律により会社はその治療費や休業補償を支払う義務があります。それに備えるために労働者を雇う会社は公的な労災保険への加入が義務付けられており、当社もそにれ則って加入しています。
当社はそれに加えて任意の労災上乗せ保険にも加入しており、公的労災保険の範囲を超える補償が必要になった場合にも、社員やそのご家族の方への必要な補償が滞りなくできる体制を整えています。
さらに日常生活における怪我や病気についても、入院治療に係る費用を実費補償してくれる保険に加入しています。掛金は会社負担です。
もしものときには社員は金銭的負担を最小限にして、安心して治療に専念することができるようになっています。
この制度は社員にもあまり知られていないかもしれませんが、会社創立40周年の際に社員への福利厚生の充実を図ってできた制度で、これまでにも何人もの社員が利用しており、とても助かったと聞いています。
2018年には50歳以上の社員対象としたがん保険加入制度もできました。もちろん掛金は会社負担です。
会社に貢献してくれていることに対する謝意としてできた制度です。利用することがないのが一番幸せなことですが、誰もががんになる可能性がある今の時代にはとても助かる制度です。
また電話による健康相談やメンタルカウンセリングを受けることができるサービスも利用できるようになっています。実際に健康不調を感じたときや家族が急に発病して困ったときなどに、誰にも知られず利用することもできます。
このほか、治療に専念できる環境づくりとして年次有給休暇ストック制度があります。
これは貯まりすぎて失効してしまう有給休暇をさらに最大90日まで積み立てておける制度であり、業務外の傷病治療のために7日以上休まなければならないときに利用できるものです。
通常の有給休暇では足らない場合にもストック休暇を利用することができるので極力欠勤を避けることができ治療に専念することができます。
このストック休暇は介護や育児休業で法定休暇日数を超えて休まなければならないときにも利用することができます。
老後の豊かな人生に向けた準備
人生は会社生活が終わったあとも長く続きます。老後の幸せについても、まずは健康であることが一番なのは変わりありませんが、やはり生活していくための収入は重要なものとなります。
社員が老後も豊かに過ごせるように、若いうちから老後資金を築いていくことを支援する制度や、定年後も収入を支えられるように再雇用の制度も整備しています。
老後資金の積立を支援する「選択制確定拠出年金」
一般的には老後の収入といえば公的年金がまず挙げられます。国民年金をベースに会社員であれば厚生年金による上乗せがあります。
厚生年金の掛金は社会保険料の一部として毎月給与から控除されていきますが、会社もそれと同額の掛金を負担することが法律で決められています。このように会社員の方の年金は社員と会社が一緒になって積み立てていく仕組みになっています。
ただし、昨今の年金事情によると年金の受給開始年齢は引き上げられ、受給額は引き下げられる傾向にあります。この傾向は今後も変わらないでしょうから、公的年金だけでは老後の収入として十分ではないというのが一般的な見方です。
当社としても公的年金と前述した退職金だけでは、社員の老後の豊かな人生の実現は難しい時代がくると考えています。
そういう時代に対応するために、当社では「選択制確定拠出年金」を導入しています。確定拠出年金とは「今後は公的年金に頼らず自ら老後の資金を作って下さい」として国が推し進める制度です。
ここで出てくるのが前述した「資産形成手当」です。選択制確定拠出年金ではこの資産形成手当の中から自分で選択した額の掛金を定期預金や投資信託に積み立てていきます。
また確定拠出年金では拠出金(掛金)に対して税制の優遇を受けることができます。さらに選択制確定拠出年金(企業型)では社会保険料の軽減もできるので、個人型確定拠出年金に自分で加入して積み立てるよりも大きなメリットとなります。
このメリットに加えて当社では掛金に応じた報奨金を年に一度支給しています。これは、老後の豊かな人生の実現のために、より多くの社員にこの確定拠出年金を活用して老後の資金を作っていってもらいたいという想いからです。
この制度への加入は必須ではないですが、現在では社員の8割近くがこの制度を利用しています。この制度によるメリットを活かしながら、自分が思い描く老後に合った資産を作っていって欲しいと思います。
最長72歳までの再雇用制度
公的年金の受給開始年齢は現在のところ65歳ですが、いずれは70歳受給時代がくることも考えられます。そうなれば少なくとも70歳までは働ける環境がないと困ることになります。
当社では現在60歳で定年を迎えその後の再雇用により65歳まで、さらに条件を満たせばそれ以降の雇用延長もあり最長で72歳まで働けるようになっています。現在、当社で働いている最高齢者は69歳の方です。
しかし今後、60歳、65歳以上の方が増えていくとなるとその方たちにやってもらえる仕事も考えていかなければなりません。今のうちから仕事の洗い出しや発掘をし、その時に備えていけるよう会社として検討しているところです。
安定した会社経営と雇用
会社は皆さんに安心して働き続けてもらえるように安定していなければなりません。会社が潰れてしまっては、豊かな人生の実現から大きく遠ざかってしまうからです。
当社では社員に安心して働いてもらうために、賞与支給などのタイミングに併せて、会社の経営状態についてもいくつかの経営指標を示して、社長自ら全社朝礼で伝えています。
会社の安全性を示す自己資本比率は90%超
会社の経営状態を知るための指標にはいくつかありますが、その中のひとつに会社の安全性を表す「自己資本比率」というものがあります。
この自己資本比率は、会社の総資産の中に占める自己資本の割合であり、比率が大きいほど会社の安全性は高く、倒産リスクが小さくなるという指標です。借金が少なく支払い利息の発生も少なくなるため有利になります。
逆にこの比率が低ければ借金が多いということになります。借金が返済できなくなると会社は倒産しますので、会社選びの際にもこの指標はぜひ確認してもらいたいものです。
現在、喜多村の自己資本比率は90%を超えるところで推移しています(2012年[41期]以降)。
国の調査では中小企業の平均は40%程度であり、一般的には50%以上であれば優良企業と判断されるので、それを大きく超える90%という会社は非常に安全な会社だといえます。
私が入社した2004年[33期]当時でも70%ほどあったので安心できる会社だと思っていましたが、現在のこの数字を見るとさらに安心感が生まれます。かつては非常に厳しい時期もあり1993年[22期]以前には20%以下だったようですが、20年を掛けて現在のような安定した会社に成長してきました。
この自己資本比率90%越えについては民間信用調査機関「東京商工リサーチ」の優良企業紹介サイト「インターネットエラベル」で超優良企業として紹介されています。
社長の誓い「雇用は守る!」
期初に発行される事業発展計画書の中で社長の北村は、「雇用は守る!いくら厳しい状況にあるといっても雇用だけは守る。雇用は守らなければならないいわば天守閣のようなものである。」と誓っています。
安定した会社といえども世の中の経済状況に一切左右されない会社はありません。
2008年に起きた国際的な金融危機リーマンショックでは当社も大きな影響を受けました。この際にも雇用には手をつけず、残業ゼロや中小企業雇用安定助成制度を活用し社員の協力を得ながら乗り越えてきました。
大切な人材を守る。社長のこの想いはこの先も変わりません。
「人や社会との繋がりの豊かさ」を得られるように
「人や社会との繋がりの豊かさ」とは、仕事や私生活において人や社会と良好な関係を築くことができ、自分のことを理解し認めてもらえる環境に恵まれることだと考えます。
仕事においては上司・同僚・部下・お客様、私生活においては家族や友人とお互いを認め合えるような関係を持てることが豊かな人生に繋がると考えます。
会社に馴染みやすい態勢づくりと社風
入社してすぐは早く周りと馴染んで頑張って働いてみんなから信頼を得たいという意気込みとは裏腹に、分からないことばかりで空回りしがちです。ですから、会社側は新入社員ができるだけ早く会社に馴染めるような態勢づくりをしておく必要があります。
新入社員を迎え入れるための準備態勢
大企業などの新卒入社であれば多くの同期がいて心強い部分もあるでしょうが、当社に入社する方はほとんどが中途入社であり複数人で一斉に入社することはないため、会社に馴染むまでは多少なりとも心細い部分があると思います。
その心細い心境に配慮すると、会社側としてまず大切なことは、新入社員をしっかりと迎え入れられる態勢を整えておくことです。
その一環として近年は新入社員を受け入れる部門の管理職を中心とした対象者に、オンライン教育サービスを利用した受入側の教育を行っています。
「入社者受入ガイダンス」や「部下との信頼関係づくり」、「職場教育(OJT)の基本」などの講座を受講し、新入社員が入ってきたときにすぐに実践できるような態勢を整ています。
また上司や先輩社員に限らず、そのほかの社員も休憩時間なども含めて仲間としてしっかりとフォローしてあげることも大切です。
当社の社員は中途入社の人がほとんどで、転職するときの期待・不安などの複雑な心境なども味わってきています。新たに入社してきた人がいれば、かつて自分もそうだったことを思い出すはずです。
そんな社員が多くいますので、新入社員の緊張ができるだけ早く解けるように、そして会社に早く馴染めるように、こちらから積極的に声を掛けてあげるような社風があります。
感謝し認め合える人間関係づくり
社員が「人や社会との繋がりの豊かさ」を得る、つまり人と人、人と社会がお互いに認め合える良好な関係をたくさん作っていくためには、社員個人が努力しなければならない部分と会社が努力しなければならない部分がそれぞれあります。
社員個人としては、人との関わり方や人間関係の悩みとの付き合い方などいわゆるコミュニケーション能力を向上させる努力をしなければなりません。
一方、会社としてやらなければならないことには、社員のコミュニケーション能力向上を手助けする教育環境を整えることや、自分と他者とを認め合えるような人間関係作りができる職場環境を整えることなどがあります。
心の原理を活用した感謝し認め合える文化の構築
当社では「マインドコース」という心理学講座を教育体系に盛り込んでいます。この講座では、自分、他者、お客様の3者に関する「心の原理」を学ぶことを目的としており、3つのコースを用意しています。
「コミュニケーション心理コース」では自分を認め他者を認め円滑にコミュニケーションをとるための心の原理を学びます。管理職も一般社員もこの講座で学んだことを活かして、上司、部下、同僚とはもとより私生活においてもよりよい人間関係を築いていける能力を磨いていきます。
「組織心理コース」は主に管理職が学ぶもので、心の原理を理解した上で組織を運営する大切さを、また「顧客心理コース」はお客様との関わりが強い部門が受講し、お客様の心を理解してよい関係性を作っていくために必要なことを学びます。
この講座を受講してもらうことで、すべての社員がコミュニケーション能力を向上させていけるようにしています。
また、この心の原理を理解している社員を会社に増やすことで社員同士が感謝し認め合える文化を築き、人間関係が円滑にいくような会社になるようにしています。
一度身に付いたコミュニケーション能力は将来に渡って活かせるスキルになります。その先の何十年の仕事でも、さらに退職後の人生でも活用できるものとなります。
人間関係を壊すハラスメントの防止
昨今、パワハラやセクハラ、モラハラなど様々なハラスメントがニュース等で話題になります。
悪意的に行われるものは当然排除しなくてはなりませんが、そうではなく何気なくしてしまった発言や行動がハラスメントに当たるということも考えられます。
そのような何気なくしてしまったハラスメントでも、相手との関係性を壊すことにもなりかねません。
こんなこともハラスメントになるんですよということを知ってもらうために、ハラスメントに詳しい弁護士を講師として呼び、管理職を対象として教育を実施したりして、ハラスメントのない職場づくりにも努めています。
定着率の高さは人間関係の悩みが少ないひとつの証
人間関係を理由に転職を考え始め、退職する方は多いようです。
「退職理由 ランキング」などのキーワードでインターネットを検索してみると転職サイトなどのランキングがいろいろと出てきますが、本音の退職理由の上位には人間関係に関することがいくつも挙がってきています。
しかし当社は恵まれたことに、自己都合で退職する人は非常に少ないのが現状であり、その退職率は1~2%程度です。
この数字の中には、様々な理由の自己都合退職が含まれますが、この数字の低さから分かるように、この中に人間関係の悩みを理由に退職する人がもしいたとしても極まれということがいえます。
自己都合退職率が低い、言い換えると「定着率が高い」と言えます。これは職場環境や待遇などに社員がある程度満足しているとともに、人間関係の悩みが少ないことの表れでもあるといえます。
社会から得られる高い評価と良好な関係性
社会からの評価が高いことだけで会社選びをするできませんが、できれば高く評価されていて社会とよい関係が持てている会社で働きたいと思う方が大多数かと思います。
喜多村としてもそのように社会から高く評価され、よい関係を築ける会社でありたいと考えています。
お客様からの感謝の言葉
お客様からの感謝の言葉は、事業を営む上でとても嬉しいものです。
実際に「ご提供いただいた粉砕品のおかげで、当社の新製品を無事に開発することができました。非常に感謝しています。」という言葉や「厳しい納期に間に合わせていただいてありがとうございます。」という言葉を営業担当者を通じて頂くことがよくあります。
当社は法人相手の製造業であるため、お客様に直接接することのない社員が大半であり感謝の言葉を聞く機会も少なく、お客様にどう評価されているのか分かりずらい面があります。
しかし顧客アンケートの仕組みや「ありがとフル®」という社内ありがとうネットワークシステムを活用して、お客様から感謝され評価されていることと社内に伝え広めています。
「愛知ブランド企業」など第三者による各種認定による評価
当社は第三者による各種認定等を多く受けています。
その中の「愛知ブランド企業」は、愛知県知事が県内の優れたモノづくりをしている企業を認定するものです。
2006年に初めて認定され、その後3年おきに継続的に認定されています。愛知県の企業として高い評価をいただいている証拠です。
また、上でも述べた民間信用調査機関東京商工リサーチの「インターネットエラベル」では超優良企業として評価されていたり、ダイヤモンド社の書籍「お金だけでは計れない価値をつくりだす企業」の中では、特徴的価値をもつ一企業として評価され掲載されています。
このほか、社員のワーク・ライフ・バランスに積極的に取り組む「愛知県ファミリー・フレンドリー企業」の中から他の模範となる優れた取組みを実施していると認められて「愛知県ファミリー・フレンドリー企業奨励賞」を受賞したり、健康経営に取り組む法人の中から特に優良な法人として経済産業省によって選ばれ「健康経営優良法人」に認定されたりしています。
家族や地域との親睦や良好な関係
会社にとっては社員の家族は、社員と同じくらい大切な人たちです。その家族の方たちとも繋がりを深めるために、希望者を募って会社見学会を開催したりしています。
また、本社では地域住民とで組織する童心会というものもあり会社の敷地で秋祭りを開催したり、古川工場では4月に行われる地元の祭り「古川祭り」へ多くの社員が参加したりするなど、地元・地域とのも良好な関係が築けるようにしています。
「自らが成長していける場の豊かさ」を得られるように
成長したいという想いは誰しもが持っているものです。それを表に出して積極的に自らを磨く人もいれば心の内に秘めながら着実に取り組む人など様々です。
会社生活の中でも成長していけるシーンが多ければ多いほど、この想いを満たすチャンスも増えます。自分が成長できてることを実感でき喜びを感じられる機会がたくさんあること、これが「自らが成長していける場の豊かさ」です。
入社初期の成長を支援
人の成長には自分自身の成長しようという意思と行動が重要ですが、それとともに周囲からのサポートをどれくらい受けられるかによっても成長の速さ・度合いが変わってきます。
新しい職場で新しい仕事に取り組む場合には、新入社員は手探り状態ですので、スムーズに成長していってもらうためには周囲からのサポートを特に必要とします。
新入社員研修から入社1年後フォローアップ研修までのサポート
一般的には入社して間もなく新入社員研修があり、大企業の新卒入社なんかでは丸一日を何週間かかけて缶詰めになってみっちりとやるところもあるようです。
当社でも新入社員研修として入社初期の教育を行いますが、缶詰めになるようなことはしていません。当社の場合には、会社のことを大雑把に知るための教育という位置づけになっています。
勤める上で知っておかなければならない就業規則のポイントやこんな福利厚生もあるよということのほか、会社の事業内容や業務の仕組み・ルールなど、会社生活にスムーズに入り込んでいくために必要なことにポイントを絞って、大雑把に知ってもらえるような教育になっています。
そのほかには、配属部署以外の部署へ数日~数週間行って、どんなことをしているのかを学ぶこともあります。配属部署の仕事内容によっては会社全体のことを知っておいた方がよいことがあるので、その場合には2~3か月間かけて全部署と交流してくることもあります。
その後は、一般的にいうOJT(On the Job Training:職場内教育)を主として上司や先輩社員が個々の成長レベルに合わせて、ひとつひとつの仕事について徐々に教育していきます。最初のうちは上司や教育係となった社員が付き添い、一緒にやってもらうことになりますので、安心して仕事にチャレンジしていけます。
また入社して1年経ったころにはフォローアップ研修もあります。入社して1年間の会社生活や自分の成長を振り返って自分を認めたり反省したりするいい機会となり、2年目以降の仕事に活かせる点の発見にもつながります。
これで終わりではなく2年目以降ももちろん、独り立ちして仕事できるようになるまでサポートは続きます。
継続的な成長を支える教育制度
入社して数年が過ぎたあと、若手、中堅、ベテランになっても常に次の段階の仕事を目指す必要があります。会社もそれを望んでいますので、社員が継続的に成長していける教育体制を整えています。
「要員管理ルール」に基づく継続的成長を実現する教育体制
当社には教育体制について定めた「要員管理ルール」というものがあります。これは既に述べたISO9001などの国際規格に沿って作られています。
これと併せて教育に関する独自のITシステムを2つ持っています。
ひとつは「スキル管理システム」です。この中では「スキルレベル分解表」というものを設定していおり、これはある仕事をするためにはここまでの能力が必要ですよという段階(スキルレベル)を定めたものです。社員は自分が現在どのくらいのスキルレベルに達しているのかをこのシステムで把握できるようになっています。
さらに「教育管理システム」というものがあり、これは教育計画を立てて実施を支援するものです。また、個人の過去の教育実施履歴や保有資格なども管理しています。
「要員管理ルール」では、この二つのシステムを活用して社員の継続的成長を実現することが決められており、次のようにして実践されています。
新しい期が始まると上司との面談があります。昨期一年間の成長を振り返り、「スキル管理システム」を使いながら自分のスキルレベルに変化があったかどうかを上司とともに確認します。
その上で、今期レベルアップしたいスキルを上司と相談しながら決めます。
そして「教育管理システム」などを使用して教育計画を立てます。さらに期の途中でも追加で必要となるスキルがあれば都度、教育計画に盛り込み実施するようにしています。
そしてまた次の期が始まると同様に面談があり、これが毎年毎年繰り返されていきます。
このようにしてレベルアップしたいもの・させたいものを自分と上司で共有しているため、上司は今後に必要な教育の計画も立てやすく、社員は有効な教育や指導を受けることができます。
その期のその期のレベルに合った教育を繰り返していくことで、社員の継続的な成長を実現しています。
社員の成長につながるフィードバックの実践
上で述べたように期の初めに上司との面談があります。ここでは一年間の教育の成果のほか、一年間の仕事の成果に対するフィードバックも受けられます。
この一年間でよくがんばったところ、成長できたところ、活躍できたところの他、改善した方がいいところなども上司から説明されます。
このようなフィードバックは、成長や活躍できたことを実感し、達成感や喜びを感じてもらうためにも必要なものです。面談以外の場でも日ごろから行われることが大切です。
ですので、会社は管理職側の上司に対しては、日ごろから部下の成長につながるフィードバックを行うように教育し、実践できるようにしています。
会社が強く推進する教育活動
社員の能力向上のために会社が強く推進する教育活動がいくつかあります。
「QCベーシックコース」は、品質管理(QC=Quality Control)における問題解決の方法やQC七つ道具と呼ばれる統計的手法を学びます。
ここで学ぶ内容は、喜多村で仕事をする上では欠かせない基礎のひとつです。日常の品質管理や問題解決で必要となりますし、次の「みんな de KAIZEN」でも活用する内容になるため、一般社員全員が受講します。
この講座に限らず、当社では社内講師制度を教育の一環としています。受講者が次の講師をするというものです。これは受講者が講師をすることで、受講した内容の理解を自ら深めるこことができるためです。
「みんな de KAIZEN」は、世の中でいうQCサークル活動(または小集団活動)を喜多村流にしたものです。
一般社員全員がいくつかのグループに分かれ、日常業務における問題や課題をテーマとして設定し、QCベーシックコースで学んだ内容を活かして問題解決、課題解決に取り組みます。
その最後にはみんな de KAIZEN発表会としてグループ毎に成果を発表します。優秀な成果を挙げたグループには、社長賞として翌年度の事業発展計画発表会で表彰されます。受賞グループには金一封も支給されます。
2013年度から毎年行っていますが、非常に有効な改善も見られるようになってきており、社員のレベルが上がってきていることを会社として実感しています。
なお世の中のQCサークル活動は自主的に行われているものとして業務外とされることが多いなか、当社ではこの活動も立派に業務の内としています。(残業して活動したら時間外手当が出ます)
前述した「改善提案表彰制度」は教育制度の一つでもあります。この制度は、小さな改善でもいいのでコツコツと実施し積み重ねることによって問題点を発見する力とそれを解決する力を身に着けるという意味を持ちます。
「マインドコース」も前述しましたがこれも強く推進している教育です。心の原理を活用してコミュニケーションする力、組織を運営する力、お客様と関係を築く力を身に付けます。
このように会社も必要と考える教育を積極的に導入し、社員の成長をサポートしています。
リーダーや管理職へのキャリアアップ
キャリアを積み上げ一般社員のリーダー級になってくると、次は管理職へのキャリアアップを目指すことになります。
後輩の教育・指導にあたったりすることが多くなってきているころですが、自らのステップアップのためにも、さらに成長していきたい時期です。
このあたりの社員になると、成長のための取り組みを自ら積極的にできる人が多くなります。
自ら社外研修を受講しに行って新しいことを学んだり、興味ある書籍を購入して勉強するなど自己啓発に取り組んだり、あるいは自発的に会議などに参加して会社のことをもっと学んだりしています。
社外研修や書籍など教育にかかる費用は、必要と認められるものは会社が負担しますので、積極的にスキルアップを図れます。
また新たに管理職になった場合には、新任管理職研修とその1年後のフォローアップ研修もあります。管理職に必要となる知識、部下の育成・評価、部下とのコミュニケーションなどについて学ぶことができます。
「人や社会に貢献できる心の豊かさ」を得られるように
4つ目の豊かさは「人や社会に貢献できる心の豊かさ」です。人や社会に貢献したいという想いは、自分や家族の望みがある程度満たされていないと湧いてこないものです。逆に言えば、人や社会に貢献したいという想いが自然に湧いてくるとしたら幸せな環境に身を置いているといえるかもしれません。
つまり「人や社会に貢献できる心の豊かさ」を持てるほどの恵まれた環境があり、それによって世の中に貢献できれば、より「豊かな人生の実現」に近づくことができると考えています。
貢献し感謝されることを重視
皆さんは「3人のレンガ職人」というイソップの寓話をご存知でしょうか。
社会への貢献にまつわる話ですが、その話を喜多村に当てはめてみました。
~3人の粉砕職人~
むかしむかし株式会社喜多村で社長が工場を巡回をしながら、粉砕室で働いている社員にたずねました。
「ここで何をしているの?」
するとその社員は
「見ての通り粉砕をしてるんです。たくさん粉砕しないといけなくて大変なんです・・・。」
と辛そうに答えました。すると社長は
「それはたいへんだね!がんばってね!」
と声をかけて歩き出しました。次の粉砕室へ歩いていくと、また別の社員が働いていました。社長はそこでまた社員にたずねました。
「ここで何をしているの?」
するその社員は
「この材料を細かく粉砕してるんです。この仕事で家族を養っているんでがんばってます!」
と汗をかきながら答えました。
「それはたいへんだね!がんばってね!」
と声を掛けてまた歩き出しました。さらに次の粉砕室へ歩いていくと、また別の社員が働いていました。社長は先ほどと同じように
「ここで何をしているの?」
とたずねました。すると社員は
「お客様のところで画期的な新製品を作るのに必要となる材料を粉砕しているんです。その新しい製品は世の中でとても役立つ製品になるそうで、みんなに喜ばれるものになるんですよ!」
と楽しそうに答えました。その社員は活き活きとした顔をして働いていました。
「それはたいへんだね!がんばってね!みんなのためにありがとう!」
と声をかけてまた歩いていきました。
皆さんはこの話を読んで、3人の中で最も豊かな人生を歩んでいるのはどの社員だと感じたでしょうか。
1人目は、特に目的意識なく目の前の仕事をこなしているだけの社員です。仕事に対して感じている不満が漏れてしまっています。
2人目は、家族を養うという目的をもって働いています。自分のため家族のためと思えば、がんばってやろうという姿勢にもなれます。給料ももらえて自分も家族も幸せな生活を送ることができています。
3人目は、自分が粉砕という仕事をすることで社会にどう貢献できるのかを知っており、世の中の人に喜ばれることを目的に働いています。誰かの役に立っている、誰かに喜ばれているとう感覚を貢献感といいますが、3人目はこの貢献感を大きく感じながら楽しく活き活きと働いています。
喜多村が考える豊かな人生を歩んでいるのは3人目です。2人目のように自分のため家族のためを思って働けることはもちろんとても大切なことですし、まずそれができないことにはさらに広い範囲の人や社会の役に立ちたいとも思えないでしょう。
自分のため家族のため、さらに3人目のように社会みんなのためを想って働くことができたら、とても多くの人から感謝されもされ、大きな貢献感に繋がります。
会社としては、3人目のような貢献感をいかに感じながら働いてもらえるかを考えていく必要があり、そういう環境を整えていかなければなりません。
喜多村の社会貢献
仕事の上で貢献感を感じてもらうためには、まずは会社の事業が社会にどのように役立ち貢献しているのかを社員にしっかりと伝えていくことが大切です。社員に伝えるのと同様に、当社に興味を持っていただいた皆様にもお伝えしていきます。
喜多村には「フッ素樹脂潤滑用添加剤」事業と「受託粉砕」事業のふたつがあります。いずれの事業も粉体を製品としており、法人のお客様に提供しています。その粉体はお客様のところで他の物に混合されたり、加工されたりしながら最終製品となって世の中に出ていきます。
ですので、粉体がそのままの形で一般の人の目に触れることはなく、世の中でどんな風に役立っているのかは喜多村に勤めている社員ですら感じにくいのが正直なところです。
しかし、実際には喜多村の粉体は皆さんの非常に身近なところにいくついくつも隠れた存在として使われています。
フッ素樹脂添加剤の社会貢献
フッ素樹脂潤滑用添加剤は、フッ素樹脂が持つ滑り性や非粘着性などをさまざまなものに付与することができます。世の中にはこの優れた性質を必要とするものが数多くあります。
たとえば滑る樹脂。滑る樹脂にはフッ素樹脂が混合されています。これが使われてる業界としては自動車業界やOA機器業界が大きなところです。
自動車ではエアコンやATミッションで滑らせる必要がある部分に使われています。
コピーやFAXなどに使う複合機ではカバーを開けると見えるところにあるギアや紙送りのためのローラーに使われていたりします。ギアに油をさしたりグリスをさしたりしなくてもいいのはフッ素樹脂の滑り性のおかげです。
フッ素樹脂が添加された傷がつきにくい塗料やくっつかない塗料も自動車業界で多く使われています。
インパネ類やボタン類が何年経ってもきれいに保てるのは傷がつきにくい塗料が塗られているからです。長年乗っていてもシートの色がはげてこないのもフッ素樹脂の性質を生かしたものです。またドアや窓枠についているウェザーストリップというゴムにはくっつかない塗料が塗られており、ドアの金属部分や窓ガラスに貼りつかないようになっています。
携帯電話・スマートフォンにも傷がつきにくい塗料が塗られていたりするので、皆さんがお持ちのスマートフォンにも喜多村のフッ素樹脂が使われている可能性があります。
ある塗料メーカーのショーケースには当社のフッ素樹脂が使われた製品がずらりと並べられています。炊飯器、腕時計、電気シェーバー、体重計、魔法瓶、脱毛器、車のシフトノブなどなど。身近なものにたくさん使われていることが分かります。
傷がつきにくいインキもあります。グラビアや食品パッケージ、ビールやジュースの缶表面の印刷インキとして使われ、フッ素樹脂の性質を活かして擦り傷を防止したり色写りを防止したりしています。
受託粉砕の社会貢献
受託粉砕は「お客様からお預かりした原料を細かく粉砕してお返しする」仕事です。
世の中の製造業ではある材料を他の材料に混ぜ込んだりしながら製品を作り上げていくことが非常に多くあります。樹脂を樹脂に混ぜ込んだり、樹脂を薬品に混ぜ込んだり、食品添加物を食品に混ぜ込んだり。
その際には混ぜ込む材料を非常に細かくする必要があったりします。ここに喜多村の受託粉砕の出番があります。喜多村の受託粉砕がないと製品作りが成り立たないことも数多くあるのではないでしょうか。
請負の事業という性質上、喜多村で細かく粉砕した材料がお客様の方でどのように使われるかについては詳しく開示されない場合もあり、最終的にどのような形になって世の中に出るのかがわかりずらい部分があります。また開示されたとしても守秘義務が生じますので、皆さんにお伝えするのは難しいところです。
そんな中でも、たとえば液晶テレビのパネルの部材や乾電池の内部の材料に使われていたりと、身近な製品に隠れて使われていたりします。
また食品添加剤としてタブレット菓子などに使われていたり、化粧品用途にも使われていたりします。
いずれも皆さんの家庭で目にする製品であり、意外と身近にあると感じてもらえたと思います。
このように喜多村のふたつの事業、「フッ素樹脂潤滑用添加剤」、「受託粉砕」で提供している粉体は、皆さんが普段から目にするもの、使っているものの一部になって身の回りに溢れています。
最終的な製品になると粉体はこの目で見られるものではないので感じられにくいかもしれませんが、確実に皆さんのまわりにもあって世の中の役に立っており、社会に貢献しているといえます。
貢献感を感じられる環境
社員に貢献感を感じてもらうためには、ここでお伝えしたこと以上に喜多村の粉体がどのように世の中で使われていて、役に立っているかを伝えていく必要があります。
2018年度には社長が事業発展計画書の中に「事業の社会的意義」を盛り込み、「3人のレンガ職人」の話を交えながら両事業の社会への貢献について伝え始めました。
お客様との繋がりが強い営業部が主体となって、喜多村の粉体がお客様のところを通じてどのように形を変え世の中に出て、いかに役に立っているかを製造現場で働く社員に伝える勉強会なども行われました。
既に述べた「ありがとフル®」も貢献感を感じてもらうための環境のひとつです。「ありがとフル®」の中で他の社員やお客様からの感謝の気持ちが伝わることで、少しずつ貢献感が芽生えることも狙っています。
今後も自分たちの仕事が世の中に役立っているんだという貢献感を感じてもらえるような会社の体制づくりを強化していきます。
最後に
最後まで読んでいただいき、ありがとうございます。
「喜多村ってどんな会社?入社して大丈夫?」という疑問に対して、何かしらの答えは見つかったでしょうか。
初めにお伝えしたとおり「すべての社員の豊かな人生の実現」が、喜多村が事業を営む目的のひとつです。
当社の社員には、「基本的な生活の豊かさ」、「人や社会との繋がりの豊かさ」、「自らが成長していける場の豊かさ」、「人や社会に貢献できる心の豊かさ」の4つの豊かさを得ることを通じて、それぞれが求める豊かな人生を実現していってもらいたと考えています。
この先、縁があって当社に入社される方についても、このような想いで迎え入れていきます。
入社後に「こんなはずではなかった」と後悔しないように、当社に限らずウェブやカタログなどでできるだけ多くの会社情報を入手し、面接では質問を駆使して、しっかりと企業の情報収集をしていってください。その上で、皆さんそれぞれに合った会社選びができることを願っています。